インビザライン治療を受けている患者さんから、「お酒を飲むときはマウスピースを外した方がいいのでしょうか?」という質問をよくいただきます。透明なマウスピースを使った矯正治療は、従来のワイヤー矯正と比べて目立たないため、社会人の方や大学生の方に人気の治療法です。しかし、飲み会や食事会などでお酒を飲む機会が多い方にとって、インビザラインとアルコールの関係は気になるポイントですよね。
結論を先に申し上げると、水以外の飲み物を飲む際は、インビザラインを外すことがおすすめです。
中央区の矯正歯科、月島キャピタルゲート歯科では、患者さんが安心してインビザライン治療を続けられるよう、日常生活での疑問にもしっかりとお答えしています。今回は、インビザラインをつけたままお酒を飲むことの影響や、正しい対処方法について詳しく解説いたします。適切な知識を身につけることで、治療効果を損なうことなく楽しい時間を過ごせます。
1. インビザラインとアルコールの基本的な関係
1.1. マウスピースへの直接的な影響
インビザラインのマウスピースは、医療用プラスチック素材でできています。高濃度のアルコールは、装置の素材を劣化させ、変形や破損の原因となる可能性があります。特に、度数の高いウイスキーやウォッカなどのスピリッツ系のお酒はマウスピースの変形リスクが高いため注意が必要です。
また、お酒に含まれる糖分や着色料も問題となります。ワインやカクテル、リキュールなどには多くの糖分が含まれており、これらがマウスピースと歯の間に残ると虫歯の原因となってしまいます。赤ワインや色の濃いカクテルは、マウスピースの変色の原因になります。水以外の飲み物を飲む際は、インビザラインを外す習慣をつけましょう。


1.2. 口腔内環境への影響
アルコールは口の中を乾燥させる作用があります。唾液の分泌が減ると、お口の中の自浄作用が低下し、細菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。インビザラインを装着していると、さらに唾液の循環が悪くなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。
また、アルコール摂取後は血行が良くなり、歯ぐきの炎症や痛みが悪化しやすくなります。マウスピースの圧迫により、普段よりも歯ぐきに負担がかかる場合があるため、注意が必要です。アルコールは酸性度が高いものが多く、口腔内のpHバランスを変化させ、歯のエナメル質を溶かすリスクもあります。

1.3. 治療効果への影響
インビザライン治療では、食事と歯磨きの時間を除く1日24時間の装着が推奨されています。お酒を飲むたびに長時間マウスピースを外していると、治療期間が延びる可能性があります。また、マウスピースが汚れたり変形したりすると、歯への適切な力がかからなくなり、治療効果に影響を与えることがあります。

2. お酒の種類別の注意点
2.1. ビール・発泡酒の場合
ビールや発泡酒は比較的アルコール度数が低く、また色も薄いため、お酒の中でも影響が少ないとされています。しかし、炭酸の刺激が強く、酸性度、糖質ともに高いことから、エナメル質が溶け出し虫歯になりやすくなるリスクも考慮する必要があります。

2.2. ワイン・シャンパンの場合
ワインは特に注意が必要なお酒の一つです。赤ワインは強い着色作用があり、マウスピースが黄ばんだり赤く染まったりする可能性が高いです。白ワインも酸性度が高く、歯のエナメル質を軟化させる作用があります。シャンパンなどのスパークリングワインも、炭酸と酸性度の両方に注意が必要です。

2.3. 日本酒・焼酎の場合
日本酒は糖分が多く含まれており、甘口の日本酒は特に虫歯のリスクが高くなります。焼酎は糖分が少ないため、その点では比較的安全とされていますが、アルコール度数が高いため、マウスピースの素材へのダメージやお口の乾燥による影響を考慮する必要があります。


患者様一人ひとりにとって
最適な治療プランをご提案いたします。
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2.4. ウイスキー・ブランデーの場合
ウイスキーやブランデーは、アルコール度数が40度前後と非常に高いため、マウスピースの変形や劣化のリスクが最も高いお酒です。高濃度のアルコールは、装置のプラスチック素材を劣化させ、変形や損傷を引き起こすことがあります。ストレートで飲む場合は特に注意が必要で、必ずマウスピースを外して飲むことをおすすめします。

2.5. カクテル・チューハイの場合
カクテルやチューハイは、使用されるリキュールや果汁によって注意点が変わります。色の濃いカクテルは着色のリスクが高く、甘いカクテルは糖分による虫歯のリスクがあります。柑橘類を使用しているものも多く、酸性による歯へのダメージにも十分配慮が必要です。


3. インビザライン装着時の正しい飲酒方法
3.1. 基本的なルール
月島キャピタルゲート歯科では、患者さんにお酒を飲む際の基本ルールをお伝えしています。最も安全な方法は、飲酒前にマウスピースを外すことです。これにより、マウスピースの損傷や着色を防ぎ、口腔内の健康も保つことができます。
インビザラインは食事と歯磨きの時間を除く1日24時間の装着が推奨されていますが、飲酒時間が短時間であれば、治療効果への影響は最小限に抑えられます。ただし、週に何度も長時間外すことは避けましょう。

3.2. 飲酒前の準備
お酒を飲む前には、必ず以下の準備を行いましょう:
- マウスピースを清潔なケースに保管する
- 手をしっかりと洗ってからマウスピースを取り外す
- 飲酒予定時間を把握し、装着時間を計算しておく
3.3. 飲酒中の注意点
飲酒中は以下の点に注意してください:
- 水を合間に飲んで、口の中を潤す
- おつまみや食事もしっかりと摂り、アルコールの吸収を緩やかにする
- アルコール度数の高いお酒は避ける、または薄めて飲む
- 酔いすぎによる、マウスピースの紛失やつけ忘れに注意する
3.4. 飲酒後のケア
飲酒後のケアは治療成功の重要なポイントです:
- 必ず歯磨きをしてからマウスピースを装着する
- マウスピースも清潔にしてから装着する
- 難しい場合は、うがい&マウスピースをゆすいでから装着し、なるべく早くに正しく歯磨きやマウスピースの洗浄を行う
- 翌朝まで時間がある場合は、就寝前に再度口腔ケアを行う


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4. やむを得ずマウスピースをつけたまま飲む場合の対処法
4.1. 短時間の場合の対応
ビジネスシーンでの乾杯や、短時間の飲酒の場合、マウスピースを外すのが難しい場合もあります。そのような場合は、度数の低いお酒を選び、すぐに水で口をゆすぐことが大切です。シャンパンでの乾杯程度であれば、大きな問題になることは少ないでしょう。

4.2. 応急処置の方法
マウスピースをつけたまま飲んでしまった場合の応急処置:
- すぐに水で口をゆすぐ
- 可能であればトイレなどでマウスピースを外し、水で軽く洗う
- 口の中に残ったアルコールや糖分を除去する
- マウスピースを再装着する前に、もう一度口をゆすぐ
- 帰宅後には、歯磨きとマウスピースの洗浄を丁寧に行う
飲酒以外にも、お仕事での訪問先でお茶を出していただくなど、イレギュラーは起こりうるものです。そんな時に備えて、マウスピースケースは常に持ち歩いていると安心です。
4.3. 翌日のフォローアップ
翌日は特に丁寧なケアを心がけましょう:
- 朝の歯磨きを普段より丁寧に行う
- マウスピースの変色や匂いをチェックする
- 気になる症状があれば歯科医院に相談する


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5. 飲酒がインビザライン治療に与える長期的影響
5.1. 治療期間への影響
頻繁にマウスピースを外していると、予定していた治療期間より長くかかる可能性があります。1日の装着時間が20時間を下回ることが続くと、歯の移動が計画通りに進まなくなります。マウスピースに歯がまったく合わなくなってしまうと、新しいマウスピースの製作が必要になるケースもあり、製作期間中は治療が進まないため注意が必要です。月島キャピタルゲート歯科では、患者さんの装着状況を定期的にチェックし、必要に応じて治療計画を調整しています。


5.2. 歯の健康への影響
アルコール摂取により口腔内が乾燥すると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。特にマウスピース装着中は唾液の循環が悪くなるため、普段以上に口腔ケアが重要になります。定期的な歯科検診を受けることで、これらのリスクを最小限に抑えることができます。
5.3. マウスピースの劣化
アルコールによるマウスピースの劣化は、以下のような問題を引き起こす可能性があります:
- フィット感の悪化により治療効果が低下
- 着色により審美性が損なわれる
- 変形により歯や歯ぐきを傷つける可能性


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6. 患者さんからよくある質問と回答
6.1. ノンアルコールビールは大丈夫?
ノンアルコールビールは、アルコール度数が0.00%のものであれば、マウスピースへの影響は比較的少ないです。ただし、糖分や酸性による虫歯リスクや着色リスクには注意が必要です。できる限りマウスピースを外して飲むことをおすすめします。
6.2. ストローを使えば問題ない?
ストローを使うことで、お酒が直接マウスピースに触れることを減らすことはできます。しかし、完全に防ぐことはできないため、根本的な解決策にはなりません。やはり、マウスピースを外して飲むことが最も安全です。

6.3. 短時間なら外さなくても平気?
「乾杯だけ」「一口だけ」という短時間であっても、お酒の種類によってはマウスピースに影響を与える可能性があります。特に度数の高いお酒や色の濃いお酒は、短時間でも注意が必要です。可能な限りマウスピースを外すことをおすすめします。

7. まとめ
インビザライン治療中の飲酒について、正しい知識と対処法をご紹介しました。最も重要なポイントは、お酒を飲む際にはマウスピースを外すことです。これにより、マウスピースの損傷や着色を防ぎ、治療効果を維持することができます。
やむを得ずマウスピースをつけたまま飲む場合は、度数の低いお酒を選び、飲酒後は必ず口腔ケアを行いましょう。また、週に何度も長時間マウスピースを外すことは避け、治療計画に影響が出ないよう注意してください。
月島キャピタルゲート歯科では、患者さんのライフスタイルに合わせたインビザライン治療を提供しています。飲酒に関する疑問や不安がある場合は、お気軽にご相談ください。適切な指導とサポートにより、楽しい社交生活と効果的な矯正治療を両立させることができます。
治療中の患者さんが安心して日常生活を送れるよう、これからもさまざまな疑問にお答えしてまいります。インビザライン治療について詳しく知りたい方は、ぜひ当院までお問い合わせください。


